【ネタバレありの感想】この世界の片隅に、見て欲しい。【上映館増えてます】

ども!桜庭パスタ郎(@apapway)です。

口コミで有名になっている"この世界の片隅に"、見てきました。
広島もののアニメーション、というとホタルの墓が思いつくかもしれませんが、そちらとは違うテイストで描かれた戦争の一片。


この作品は、小さく、1人の女性視点の生活を描いた作品です。
その日常生活という窓口から見えてくるこの世界は、片隅が自分たちに物語ってきます。


ネタバレありでかいていきますので、注意。


*この世界の片隅にを見た感想
この映画をみて、やはり今の人たちは戦争への知識が足りないんじゃないかって思いました。
なんというか、映画を作成した人、実際に広島にいた人、戦争を体験した人。
僕たちと、ギャップがあるんじゃないかって、不安になりました。

僕自身が体験したことがある人とない人では大きな差があるものだと考えている人です。
だからこそ、この映画をみて、もっと本当を知りたいというか体感したいというか、もの苦しい感情が沸き起こりました。
でもその感情ってどうなんだろうって。ただ偽善者ぶっているだけの感情なのではないかと怖くなるのです。

体感したい、というと語弊がありそうですが、実際に戦争時に生きていた人がどう感じたのか、どう思って過ごしていたのかを知るべきだなあって。
広島で起きたこと、日本で起きたことを、もっと日本に生きる、生まれた人は知っておくべきだ。
この国が今こうしてあるのは歴史を全て踏まえた上で存在しているからだ。
なにか、こうして知りたい、知っておかなくちゃって思わせる作品は本当に大切だと思うし、多くの人がみて感じるものがあればいいなぁと思います。
>これ感想を書いたあとに監督のインタビューをみるとやはりこのことについて話していましたね、71年前のリアルを想像抜きに事実をかくことで、世界の一部なのだと感じて欲しい。と。



主人公のすずについて、書いておきます。
すずちゃん、辛い時にも元気で、前を向いて頑張って、つよいです。

すずは物語の途中で嫁いでいきます。
なんとも急な展開ですが、昔のひとはこのようにお見合いのようなものから一気に結婚するなんてこともあるのですね。
今の恋愛と昔の恋愛とちがうものだなぁと。

後半、すずに悲劇が起こります。
一緒に歩いていた、晴美ちゃんが時限爆弾に巻き込まれて死んでしまいます。
それと同時に、すずは右手をなくしてしまうのでした。

すずは以前から絵をかくことが好きで、ことある毎に絵を描いていました。
小さい頃から鉛筆が小さくなって使えなくなるまで使い込んで絵を描くほどに。

右手がなくなるということは、普段の生活だけでなく、大好きだった絵がかけなくなるということです。
この展開は辛いですね・・・。
どうもこういった映画で体のどこかに怪我や、失われるとそれによって描かれる心情が刺さります。
自分の好きだったことが奪われる悲しみ・・・。
すずは失った手で絵が書けなくなりましたし、愛する周作さんが不安なとき、手をにぎって包むこともできなくなりました。
このもどかしさは厳しいです。つらい。


そして、誰か大切にしてくれるひと、大切にしたい人がいることが、どんなときにでも希望をくれるものなんだなぁと思いました。
どんな時も、味方でいてくれるひと。思いを寄せる人がいるっていうのは、素敵なことですね。

戦争が終わって街に光が灯っていくのも、印象的なシーンです。
戦争が負けたとなって終わることで悲しむ面と、終わったことによる安心と。
直接戦争に関わっていない、生活をするひとにとって戦争による耐えること、忍ぶことは本当につらいものだったのでしょう。


最後は、戦争によって親をなくしてしまった子供を連れて家へ帰るシーンでおわります。
優しいですね、優しい・・・。
人と人のつながりによって、優しさによって変わっていくものがあるんだと思わせてくれました。

この世界の片隅にの主人公の声優はのん!

主人公の北条すずを演じるは、のんさん。
以前の芸名は能年玲奈という名前でいましたが、こちらはどうも事務所の諸事情で名前を変えたそう。
なんだかそれの影響もあって、今作での出演や元の名前の使用などに制限があるみたいで、事務所に批判が殺到しているなんてものも聞きます。

それはさておき、すずの声に抜擢されたのんさん。
すずの性格とマッチしていたように感じますね。
のほほんと、何も考えてないようというか。笑

この世界の片隅に、でまた名前が有名になったことで彼女自身にも良い影響があるといいですね。

この世界の片隅に、は戦争もの

火垂るの墓は、ど直球に、真正面に描いた悲劇ものの映画です。
あちらは年をとるとどんどん見るのがつらくなる作品です。
もちろん、しっかりと見ておくべき作品であることは間違いないでしょう。

この世界の片隅に、では直接の影響があった街というより、隣町にいながらの視点となっています。
生活面でどのような影響があったか、どんなものを食べていたのかにフォーカスされていますね。

食事シーンが多いことや、直接どんなレシピで作っていたのかを劇中で説明していたりします。
昔の人は、本当に食べるものが少なかったんだなぁ、今と違うな、と感じますよね。

お腹いっぱい食べられるいまの時代、日本という国は本当に裕福な国なのだ、と考えさせられてしまいます。

この世界の片隅にの上映劇場

なんとこの"この世界の片隅に"は全国的な劇場で公開されていないのです。
これは、ほんとうにもったいない。

立ち見が出る劇場もできるほどに有名に拡散していっているそうなので、もっと多くの人が見る機会があるようにたくさんの劇場で公開してほしいと思います。

素朴に、しっかりと描いた丁寧な作品。
一部の劇場だけではもったいなすぎますよね。

TwitterなどのSNSで話題となっていることでたくさんの人の目に触れるといいですね。

この世界の片隅にのインタビュー記事を読んでみて

インタビュー記事
kai-you.net

  • 8月9日と直接書かなかった

なるほど。ですね。
生活する人にとって8月9日が特別なものとしてくるわけではなかった。
あくまでも、日常を送る中で訪れた。と。
すごい。


映画をみたら原作は読むべきですね。
そしてもう一度劇場にいく、と。




超期待のこの映画!
【ゴールデングローブ賞・アカデミー賞】ラ・ラ・ランドが見たすぎる!【日本公開は2/24!】 - Saku-Saku 情報発信基地