【何者感想・評価・主題歌】映画"何者"が示すメッセージとは、ネタバレ有【浅井リョウ】

どうも!桜庭パスタ郎 (@apapway) です!

 

作者・浅井リョウさんによる就活と人間関係を描く"何者"。

10月15日、本日公開でした!

そっこーで見てきたので、感想や評価、思ったことをまとめてみます!!

ネタバレあり、全開でいくので注意!

 

どんな映画か言うならば、"正解が欲しくなる映画"です。

映画「何者」あらすじ

ひとつの部屋に集まった五人。

それぞれにはそれぞれのバックグランドがあり、また同様に人間関係のつながりもあった。

時期は就職活動期。それぞれの思想の元、就活を始めていく。

 

描いているテーマは、"就活","自己承認","SNS","人間関係","若者" あたりだと感じました。

テーマというより、キーワードかもしません。

 

人として誰が一番価値があるのか? そして自分はいったい「何者」なのか? いま、彼らの青春が終わり、人生が始まる――。

引用元:

映画「何者」公式サイト 

映画「何者」主題歌「NANIMONO」について

少し先にこの話を挟んでおきます。笑
映画何者の主題歌はものすごく大好きな曲なので!

 

映画"何者"ときっても切れない関係になったであろう、主題歌の"NANIMONO"

この主題歌のキャッチーなメロディでCM,映画の予告でぐっと惹きつけられた人は多いはず。

この曲を聞いてちょっと見てみようかななんて思った人は絶対に多いでしょ!そこのキミもそうでしょ!

 

何者の主題歌は、中田ヤスタカ作曲、作詞と歌を担当している米津玄師という今イケイケな2人の共同楽曲です。

聞いた瞬間に「おっ」となるこの曲ですよねえ。物語を知ることでどんどん深みの増す曲となっていると思います。

 

映画を観終わってから聞く主題歌NANIMONOもまた、格別の一言です。

映画を見た後だとタイトルが英字で大文字なのも納得ですね!

 

www.youtube.com

 

 

NANIMONO (feat. 米津玄師) - 中田ヤスタカ

 

何者をみて、感じたこと、考えたこと

いろいろとまとめてみますね!

 

かかかかっか、かゆい

この映画、見終わると「ちょ、そこかゆいからかいて!頼むって!ちょっとでいいから!ちょっとだけでいいから!あああああ」

って感覚になります(自分だけ?)

かゆいというより後少しの部分で届かない。あと一歩だけでも出ればわかることがたくさんでてくるのに、絶妙な距離で離してくる。

その加減、隠す場所がずるいんですねえ。

 

正解がない。

この映画の面白いポイントの一つが、

正解を示していないこと

にあると思います。

僕はこれを"面白い"と思ったのですが、これが面白いと思うかそうじゃないかで意見が分かれてしまうと思います。

 

 

これは、生き方であったり、就活であったり人間関係であったりと様々な部分で正解を描いていない作品になっていると思います。

うまく、ぼかしていますね。終わりもどっちかというと、中途半端なまま終わった印象の人も多そうです。

 

  • 主人公、拓人の生き方

視聴者が気になりやすくなっているであろう「主人公はどうなるのか?どうなっていくのか?どうなのか?」については、もやもやとするまま終わります。

主人公、佐藤健演じる二宮拓人の生き方は間違っているのか?そうでないのかについては触れないで終わるんですね。

ただ、作中で拓人は言及され、否定されます。理香にボロクソに言われますよね。笑

拓人の裏の顔。それが結果、良い方向へと行ったのか間違いであったかはわからない。

ただ、これは限りなく不正解に近い形で終わっているとは思います。

つまり人を蔑んで見たりするのはよくないよ、ということではあると感じました。

 

しかし、2年間就活していることを、だめなやつと捉えるなら不正解だとは思いますが、拓人の生き方の変化するターニングポイントへとつながっていたなら、正解と言えるでしょう。

拓人のその後は描かれていませんから、ここは視聴者の判断や考えることによりますね。

考える余白がうまく与えられていると思います。

 

他人を分析?して客観的に批判的に見てしまう性質。人間少しは誰しも持ち合わせている性質かもしれませんね。

寒い、痛いと言われて胸がいたんだ人もいるでしょう。笑

ボクもたまに似たような感覚に陥ってしまうことがあるんです。だからこそ「あー、わかってしまうかも。そんなところを描くとは、、、」という気持ちが映画が面白かったという感想につながっていると思います。

 

そして映画中ではそんなぼくらにも、ある種の救いがあることを示していたと思います。

それは、瑞月の「拓人くんの映画、好きだったよ」という言葉。

どんな人だって、誰かの心に響くものを作ったり、感動させられる才能は秘めているのかもしれませんね。

 

  • 就活

就活における正解も示されていません。

そもそも就活とはなんだろうとも思いますが、これは一旦置いておいて。

 

まず、内定をもらったのは有村架純演じる田名部瑞月、そして菅田将暉演じる幸太朗ですね。 

この2人がなぜ内定がもらえたのでしょうか。

留学に行っていたから?バンドを熱心におこなっていたから?就活が、得意であったから?

熱心さが認められるのであれば、拓人であっても内定がでてもおかしくありませんし、就活の得意さであれば、二階堂ふみ演じる小早川理香だって得意だったかもしれません。

やはり、内定がもらえるための正解は示されていないと思います。

5人のバックグランドをうまくみていくと誰かにはこの要素があるけど、誰かにはない、とうまくなっていると思います。

 

また、幸太朗が「内定がもらえても、何者にもなれない」といった言葉も漏らしているシーンがありました。

内定がもらえることが正解とは限らないということを伝えているのかなと思いました。

内定がゴールでもない。内定をもらった自分は一体なにになりたかったのか。

なぜ、内定を求めていたのか。

 

岡田将生が演じる宮本隆良の就活に対する姿勢も途中で言及されて、就活はしないと決めていた隆良でしたが最後には就活をきちんとすると決心していました。 

結果が大事なのか、それとも心持ちが大事なのか?

 

果たして内定をもらえたことがよかったのでしょうか。それとも内定までの道のりでたくさん考えることが大事なんでしょうか。

 

自分における就活、内定とは何者なのか?

 

  • 恋愛

恋愛もちらっと正解がないよって言っていたような気がしますね。

拓人の思い、幸太朗の思い、瑞月の思い、隆良の思い、理香の思い。

それぞれ矢印が向いていますが、どれもきちんと矢印が向き合ってしっかりと良い、ポジティブに示されていることがありません。

付き合っている2人も、付き合いたてから同棲ってどうなの?という発言があったりしており肯定的ではないととれます。

 

 

 

就活という1年のタイミングがバラバラ

この伏線はおもしろかったですね。

就活というくくりで5人は同じ土俵にいるのかと錯覚させられますが、映画をみているとそれぞれの背景が全然違います。

 

就活2年目、留年、留学、留学、休学

 多種多様ですね。笑

大学生がとれるいろんな時間のズレを五人はもっています。現役はいないぽい?先輩は現役枠でしょうか。笑

ズレがあるのに、同じ就活というフィールドにいる。

これって不公平なようで、公平です。会社の面接官は同じ1人であったりしますからね。

 

日本の就活におけるメッセージもこめられていそうです。

 

個人的には、このそれぞれのバックグラウンドには絶対的な差はあまりなくて、あとは自分でどう脚色するかとかですかね。

やってきたことや、得意なこと、不得意なことはひとそれぞれ。

そしてその自分の特徴や長所をしっかりと自覚していることは大切なことです。

 

就活を暗く描いている

正直やりすぎかなと感じました。

あそこまでボクの場合は辛くはなく、もっと楽しいものでした。

ただ、空気感はすごくリアルですね。

全員が敵にみえるというか。笑

 

あえてあのような描き方にすることによって、日本の就活を皮肉っていて、変えろとか若者はもっと違う視点でみろといったことを伝えているのかもしませんが!

大学生がみたら、うおお・・・ってなるかもしれません笑

 

でもいかんせん、暗く書きすぎていて、あれがスタンダードな就活であると思ってほしくないです。

就活は自分にとってもっと有意義なものです。

 

SNSがある時代

この作品は現代だからこそ描けるものだと思いました。

 

昔から人への自慢、妬みはあれどSNSを通したものは存在していませんでした。

近年になって現れた特異点のようなものかもしれません。

それをテーマに描くというのは非常にアンテナの感度が高く、おもしろい視点だなと思います。

人の葛藤であったりいろんな感情や思想が入り乱れていますし、小説にするならもってこいだったのかも!

 

他人に言いふらすことを痛い、寒いといった表現も現代風だなと思います。

そう思っている人が痛いのか?

思われている人が痛いのか?

結果が出てる人は痛くないのか?

結果が出てないが、言葉ばかりが痛いのか?

 

140文字の積み重ねで人は見えてこない

これはTwitterをよく使用する人に言えることかもしれませんね。

Twitterをしている人は、Twitterの印象がかなり現実の人のイメージにも反映されます。

投稿内容、投稿時間、投稿頻度であったり。

どんな人であるかをみるひとつのものさしにすらなっています。

 

が、果たして正しいものさしとなっているのでしょうか?

これも一つの正解のない問いですね。

 

個人的にもTwitterを通した自分の味方をされることが多くて、「違うのに」と感じることが多々あります。

人のつながりはやっぱり直接接してみてこそだと思うので、このメッセージ性はごもっともだ。と思いました。

友人の感想

友人何人かに感想を聞いてみました。

  • 映画としてのメッセージが何か伝わらない。もやもやしているのはわかるけど、それって映画としてどうなんだ?
  • 20点。
  • 寝そうになった
  • 曲はいいから、それまでは全部イントロってことだよね
  • 原作を読んでからの方が楽しめる
  • 原作に結構忠実

などなど友人の意見は結構きつめの意見が多かったです。

 

たしかに、自分が面白いとは感じたものの、面白いと感じたポイントがどこにあるかはあまりはっきりしていないかもしれません。

正解がないことが面白いというのも、なんだか少しずれてしまっている気はしますね。ムズカシイ。

 

何者の主題歌が忘れられない

しばらく映画を見終わってからも主題歌のことだけが全然忘れられず、なんども耳にしている自分がいました。

この映画の主題歌をもって米津玄師の魅力にハマっていった人も多いはず。

 

自分は一体何者なのか

自分が誰であるのか、何者であるのかを考えることは重要であると言い切ることがボクはできます。

自分ってなんなのか。すごく大事なことですよね。

 

これを考える大きなきっかけが就活です。

就職の活動を通して自分を見つめて、人生の大きなレールをどの方向に置くかある程度きめて敷きます。人生を変えるような出会いがあったりもします。

 

また就活を通して、多くの人は

自分は何者でもない。大したことのないやつだ。

と感じる機会も多いかと思います。そのもどかしさも描いてるテーマの一つかもしれませんね。

そんな自分がなりたい自分は"何者"であるんでしょう。

 

その何者かを知っておいて、なりたい自分を認識すること、発信することが大事かもしれません。

ありのままの自分は、SNS等で発信せずに自分と向かいあわせる方が、いいと思っています。

もっとなりたい、理想の自分を発信する方がぼくは好きです。

 

原作の本はこちらから。映画をみたらこっちも見てみたいですね。

友人曰く、原作にかなり忠実っていってました。 

"何様"も出ています。

 

 

 

音楽についてはこちらにも書きました!

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公式サイトはこちらから。

nanimono-movie.com

 

最近の映画についての感想もたくさん書いています!

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