映画「怒り」の感想・評価。3人の怒りとは?考察もしてみた【ネタバレあり】
どうも!さくさくです。
先日映画「怒り」を見てきたのでその感想や評価を書いてみます。
ネタバレありです!
公式サイトは以下のリンクから。
公式サイトからみれるクランクアップのコメントとかは必見ですね。個人的には渡辺謙さんのコメントがぐっときました。
また、日本アカデミー賞の優秀賞やその他多数を受賞しました。追記しています。
2017/1/16更新
怒り
率直にこの映画の描きたいメッセージの一つはタイトルでもある"怒り"だと思います。
その"怒り"がどんな怒りであるのか?というところに注目すると、
この映画はいろんな描写をしつつ、怒りを私たちに伝えてきていた気がします。
怒りとは、一体何なのでしょうね。少しだけ僕個人の捉える怒りについてを記述しておこうかと思います。
怒りについては、以前本ですかね、たしか"嫌われる勇気"を読んだ際に、「道具」のようなものであると知りました。
結構個人的には怒りという感情が道具的なものであるということに関しては納得しています。
人間本当に怒ることはあるかもしれないが、怒りというものは感情を外へ伝えたり自分を落ち着かせるためだけの表面的なものである、と。
本来怒りという感情は自分がそうしようとして表へ出しているだけだ。
このような考え方も受け入れてみて本作を見てみるとまた違った感想がもてるかもしれません。
自分が感じた映画の"怒り"
自分がこの映画の怒りは
「人間を信じることの難しさや裏切られた時の怒り、また人をどう信じていいのかわからない葛藤や疑ってしまう自分への不甲斐なさ」
を描いている作品かなと思いました。
それぞれ3つの場面が展開されて映画は進んでいきますが、
最終的には
- 人を信じきれなかったことで疑い、そのままもう会えなくなってしまう。
- 疑ってしまっていたが、疑いが晴れてハッピーぽいエンド。
- 人を信じてしまったがゆえに裏切られてぐちゃぐちゃになってしまう。
という3つの終わり方をしています。
このことから、
妻夫木演じる優馬は人を信じなかった、信じきることができなかったからこそのやり場のない怒りが生まれてしまったと思いますし、
宮崎あおい演じる愛子は、信じてるからこそ犯人であるかどうかを聞いてしまったし、でも信じたからこそ言葉にしてしまって、それは客観的にみたら信じていないように見えてしまうというか。
その他人から見たらどうなのか、っていう部分もフォーカスしたテーマでもありそうです。人を形作るのは自分なのか、他人から見た姿なのか。自分はどちらが優先されてしまうのか。
で、愛子ですが、やっぱりどこかで信じきれなかった自分に対してももやもやした気持ちがあったり、それを電話で聞いてしまった自分の弱さに直面したり。
しかも犯人かもしれないという情報はパパから初めて聞いたかもしれませんしね、自分は信じていたけど他人から言われてしまうとやっぱり疑ってしまう。
広瀬すず演じる泉は、結構直接やり場のない怒りを描いているかも。
やっぱり劇場でみていてもあの事件のことはなんとも言えない気持ちになりましたね。事実はそこにあって、どんなに消したい過去でも、一度過ぎてしまえばなかったことにはならない。
でもそれは知っている人にとってのみの事実である。
辰哉もやり場のない怒りをかかえてしまいます。物語の途中にも、そして最後にも。信じてしまった自分への怒り。助けることができなかった自分への怒り。相手に対する怒り。
こんないろんな怒りを3つの視点から描いており、それぞれがリンクしていたと思います。
ちょっともう一度みてみた人の感想を聞いたり話したりしたくなる作品でした。
日本アカデミー賞
映画"怒り"ですが、日本アカデミー賞にて多数の賞を受賞しました、おめでとうございます!
やっぱりすばらしい作品だし、もっとたくさんの人が見るようになればいいなとおもいます。
受賞した賞は以下の通りです。
- 優秀作品賞
- 優秀脚本賞
- 優秀主演女優賞
- 優秀助演男優賞
- 優秀助演女優賞
- 優秀撮影賞
- 優秀照明賞
- 優秀美術賞
- 優秀録音賞
- 優秀編集賞
- 新人俳優賞
合計11個もの賞を受賞!すばらしい!
というか11の受賞ってめちゃめちゃレアなケースなのでは!?
映画館で見た、という人は少ないかもしれませんがレンタルでしっかり、じっくり見て欲しいですね。
俳優の演技も光る作品であることはアカデミー賞からも明らかでしょう。
邦画はあまりみない自分であったが
自分、邦画を映画館に観に行くことはあまりなかったんですが、最近よく映画館へ足を運んだ際の予告で「怒り」を何度かみて
あ、見たい
って思ったんですよね。
ほぼほぼ邦画(アニメとかはいきます)を見に行かなかったんですが今回行ってみてよかったなーと思いました。
そんな作品に出会えたこともよかったと思います!
原作もチェックしてほしいとおもいます!